認知症について学ぶ オレンジケア Part.3 Prevention and Countermeasures

予防と対策 日頃の節制が大事!?

認知症の大部分(認知症患者の40~60%)を占めるアルツハイマー型脳血管性認知症は、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病と関連があるとされています。例えば、肉料理や油もの中心の食事を控え、野菜・果物・魚介類の豊富なバランスの良い食事を心掛けたり、定期的な運動習慣を身につけたりと、普段からの生活習慣の管理が認知症の予防につながることが分かってきました。

また、症状が軽い初期段階のうちに認知症であることに気づき、適切な治療が受けられれば、認知症の進行を遅らせたり、症状を改善したりすることもできます。早期診断と早期治療、そして早期認識によって、高い治療効果が期待できます。

もしも認知症を患ってしまった場合には早期診断につなげることがもっとも大事です。そのためには、自分自身や家族、友人など周りの人について「もしかして認知症では?」と思われる症状に気づいたら、まだ大丈夫だろう!では済まさず、早めに相談することが重要です。

 

1. 動作の変化

歩くときにテーブルや壁などの支えが必要

立ち上がる際にテーブルを手で押したり、壁を支えにしながら歩くのは体力が低下しているサインです。

ふらつくのは脳梗塞の恐れも!?

また、立ち上がった時や歩く時によろめくなど、ふらつきにも注意が必要です。体力の低下だけでなく、脳梗塞が多少でもあると、ふらつく可能性が高くなるので、頻繁にふらつく場合は早めに病院で診察を行うことが大事です。

 

2. 日常生活がおっくうになている

洗った服や食器などを放置

もともときれい好きだったのに、洋服を置きっぱなしにしていたり、洗った食器を食器棚などにしまっていなかったりする。また、買ってきたものをそのまま床に置きっぱなしにしていたりする。

お風呂に入りたがらない

お風呂が好きだったのに、何かと理由をつけて入りたがらない。

 

3. 物忘れがひどくなる ~認知症の疑い~

 

同じものを何度も買う

調味料類(しょうゆや味噌)の使いかけがいくつもあり、同じものを何度も購入した形跡がある。

同じことを言ってしまう

短時間に同じことを何度も聞いたり言ったりする。薬の飲み忘れが増えるなど、物忘れがひどくなっている。

 

親の変化 どう対応?

身体面で変化に気付いた場合は、暮らしやすいよう住まいの環境を見直すことが大切です。高齢者の転倒は骨折につながりやすく、入院となると認知症状が一気に進む恐れがあるからです。室内の段差をなくす、手すりをつける、支えにしやすいように家具の配置をかえるなどが効果的です。まずは日常的な住まいの環境から見直しましょう。

認知症になる可能性は誰にでもあります。私たちと同様、認知症を患った方々の心情も様々です。また、「認知症の本人は自覚がない」と思われがちですが、最初に症状に気づき、誰より一番不安になって苦しむのは本人です。認知症の人は理解力や記憶力が落ちているものの、感情面はとても繊細です。出来るだけ早期発見に努め、適切な援助を受ければ、自分でやれることも増えていくでしょう。認知症という病気を理解して、さりげなく自然なサポートをする事が介助する側にとってもストレスを軽減することへとつながります。

 

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