認知症について学ぶ オレンジケア Part.2 About Dementia

認知症状について

認知症というのは一つの病名ではなく、認知症が起る要因もさまざまです。多くの場合は脳の病気であり進行性で、日本では従来より血管性認知症が最も多いといわれていましたが、最近はアルツハイマー型認知症が増加しており、認知症の原因となる主な疾患には、脳血管障害、アルツハイマー病などの変性疾患(細胞や組織などが徐々に変質して機能を失う疾患の総称)などがあります。

脳血管障害の場合、画像診断で微小病変(体内に残存すると考えられる腫瘍細胞・病変)が見つかっているような場合でも、これらが認知症状の原因になっているかどうかの判別は難しく、これまでは脳血管性認知症と診断されてきたが、実際はアルツハイマー病が認知症の原因となっている、いわゆる「脳血管障害を伴うアルツハイマー型認知症」である場合が少なくありません。

 

それでは、代表的な認知症疾患を見ていきましょう。

 

 

「中核症状」と「行動・心理症状」 二つの症状

認知症状には、さらに中核症状行動・心理症状の二つの症状があります

中核症状

中核症状とは、脳の神経細胞が死んでいくことによって直接発生する次のような症状で、周囲で起こっている現実を正しく認識できなくなります。

 

行動・心理症状

 

本人がもともと持っている性格や人間関係、生活環境と、現在の状況とがからみ合って起こる、うつ状態や妄想といった心理面・行動面の症状です。

主な症状例

 

なお、認知症状は遺伝によるケースは稀であり、さらに40代の働き盛りの世代でも発症するおそれもあることから、誰にでも起こりうる病気と言えます。

 

次のページでは「予防と対策」について学びましょう >> ページ3